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短編小説「何が何でも女子トイレに入ろうとする男」

   短編小説「何が何でも女子トイレに入ろうとする男」

 どこにでもあるデパートのどこにでもあるトイレ。
 ことはそこで起こった。
 どこにでもいるような中年男性が男子トイレで用を済まし、手を洗い、トイレから出ると、ある男の姿が目に入った。
 威風堂々と手を振って歩くさまは自身に満ちあふれており、どうしても目を引いたのだ。
 そしてその男は堂々と女子トイレに入っていった。
「ちょっと待てぇ!!」
 中年男性は大急ぎで男を呼び止める。
 男は不快そうに眉を顰めながら立ち止まり、中年男性に尋ねる。
「何ですか、貴方は」
「何ですかじゃないよ、とにかくそこから出てきなさい」
 男はすごくつまらなそうな顔をしながらも素直に出てきた。
 そして、女子トイレの前で男二人の論争が幕を開けたのだった。
 まず最初に切り出したのは若い方の男だった。
「何故貴方は俺を呼び止めたんですか?」
「何故って……女子トイレに入ろうとしてたからだろう」
「答えになってませんね」
「答えになってないって……男が女子トイレに入るものか!!」
「そこからして、まずおかしい」
 若い男は中年男性に宣言する。
「俺は女です。男じゃあない」
「嘘つけ!! 顔も声も体つきも!! どっからどう観ても男じゃないか!!」
「顔も声も体つきも男だとしても、生物学上では女である可能性があるじゃないですか。全国の男性ホルモン多めの女性に謝ってください」
 そう言われると、中年男性もどう返していいものか困る。
 確かに、女っぽい男もいれば男っぽい女もいる。
 そもそも、彼、いや彼女?が整形などの手術を受けて男っぽい見た目になっているだけの可能性も捨て切れない。
「では、俺はこれで」
 若い男はそう言い放ち、女子トイレに入ろうとする。
 中年男性は慌ててその手を掴んだ。
「ま、待ちなさい!! まずは……そうだ!! 何か性別を証明できるものを見せてくれ!!」
「……何故トイレに入るのに身分証明を? 不愉快極まりない」
「いいから!!」
 若い男はぶつぶつと文句を言いながらも鞄を開いて中から何かを取り出した。
 それは、女性向けのファッション雑誌だった。
「では、これで」
「い、いやちょっと待て!! 一瞬納得しかけた自分が憎い!! それじゃあ証明にならない!!」
「……性別証明しろって、股間見せろってことですか? いやらしい……」
「い、いやそうは言わんが……」
「じゃあ貴方が性別を証明してくださいよ」
「い、いいだろう!! この免許証をみれば……」
 中年男性は財布から運転免許証を出して初めて気付いた。
 運転免許証には性別は明記されていないのだ。
「……ほ、ほら!! 源五郎!! 源五郎なんて名前の女はいないだろう!!」
「親が変わり者説、改名説、免許証偽造説……つまり、おじさんが実はおばさんである可能性も存在……」
「しねえよ!! 男だよ、妻いるよ!!」
「実は妻じゃなくて夫だという可能性が……」
「だからないって!!」
 中年男性は息を切らしながら静かに言う。
「だいたい……偽造とか可能性とか言い始めたら、股間見せるしか証明方法がなくなるだろうが……」
「そうですね、でも貴方が男でも俺は女なので股間を見せた瞬間セクハラです。警備員を呼びます」
「……警備員?」
 中年男性は一つ、現状を打破する策を思いついた。
 中年男性は息を整えて若い男に告げる。
「あくまで女と言いはり女子トイレに入ろうとするなら、警備員を呼ぶぞ」
「……チッ。分かったよ、俺は男だよ」
 若い男は少し怒り気味に言う。
「だがな、おじさん。男が女子トイレに入ってはいけない、まずその前提からおかしいんですよ」
「いや、おかしくないよ!!」
「その理由は?」
「だって……その……男が女子トイレに入ったら覗くだろうが……」
「はい、そこからしてまず駄目」
 若い男は指を振りながら告げる。
「確かにそんな不届き者も存在するだろう。だが、女子トイレは個室だけだ。もし『ドアを開けたまま用を足す女性』が存在しない限りは覗きは極めて困難と言えるだろう」
 中年男性は少し考えてしまったが、慌てて首を振る。
「いやいやいやいや、確かに困難だけど、困難なだけで不可能じゃないからね? 君が『俺は覗かない』と言ったところで説得力ないから」
「そもそも、女性トイレで覗きが成立するのは、来る人が少ないからだと思うんだ。いっそ男子トイレと女子トイレを融合して個室だけにしてしまえば、トイレに来る人が男子トイレ分増えるわけだから抑止力になるし、覗きが起きてもそれを見つけた男が犯人を捕まえることもできるし、覗こうとしたら間違えて男が使っている時に覗いてしまい覗き犯に精神的なダメージを……」
「その発想はないだろ!! むしろおじさん的には男子トイレと女子トイレが融合することで男も女もトイレを利用しにくくなるんじゃないかって心配だよ!!」
 中年男性が息を荒げてつっこむと、若い男は静かに溜め息を吐きながら呟く。
「だいたい、男の小便なんてほぼ覗かれてるようなものじゃん。なんで女の小便だけ隠されてる訳?」
「知らねえよ!! 小便見られたくなきゃ大便器の方使えよ!!」
 若い男は悲しげに天井を見上げながら中年男性に告げる。
「俺はさ、そう言う男と女、或いは女と男、その違いを取っ払いたいんだ。男でもスカートがはけて、女でも相撲がとれる……そういう社会にしたいんだ」
「お、おう……それはまたえらい壮大な……まぁ、スカートだけなら叶うかも……」
「だからその一歩として男が女子トイレに堂々と入れるように!!」
「させるか!!」
 走り出そうとする若い男を、中年男性はタックルで捕まえる。
「く……おじさん、元ラグビー部か!?」
「いや、違うけれども!!」
 地面に倒れても、何とか這いずりながら女子トイレに向かう若い男と、男を抑えつける中年男性。
 このオブジェにタイトルを付けるとするなら「見果てぬ夢」とつけたい。
「くくく、おじさん!! このまま俺が女子トイレに入ればアンタもそのまま引きずり込んでやる!! 女子トイレに入りたくなけりゃ手を放しな!!」
「く……だがここで手を放せば意味が無い!! うぉぉ、妻よ、娘よ!! 父さんに力を!!」
「……何やってるのよアナタ」
 聞き慣れた声を聞き、中年男性が顔を上げると妻が何とも言えない表情で見下ろしていた。
「あ、いや、これはその……」
「今だ!!」
 中年男性の手が緩んだ隙に、若い男は中年男性の腕からすり抜け女子トイレへと入っていこうとする。
 が、中年男性の妻が不意に腰を落とし手を伸ばした。
 中年男性の妻の懇親のラリアットが若い男の首を狩り取る。
 一回転してから地面に叩きつけられた若い男は、案の定意識を失っていた。
 地面に伏せた状態でそれを見ていた中年男性は合掌した。
「これが報いか……」
 警備員に突き出すためか、若い男を引きずりながら運ぶ妻の後を中年男性はよろよろとついていった。



……なんぞこれぇ。
タイトルからして酷すぎるし、内容も酷いです。
まぁ、やりたい放題できて楽しかったです。
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comment

Secret

No title

・・・・・・あ、ありのまま今起こった事を話すぜ
マスクドさんの記事に新しいノが出来てるぜヒャッハー!!
と思って来て見たらカオスでしかも自分より上手い小説が書かれていた
な、なにを(ry

そ、その文才、某にもバクシーシ!(オイ
いやー、読んで見ればすんなり状況が想像出来ますね
自分の小説より遥かに上手くてウラヤマシイナー

自分もこんな感じに(地の文が)書ける様になりたいです
その為にはもう少し小説買って勉強せねば・・・・・・

とりあえず最後に一言・・・・・・



どうしてこうなった!(

No title

雄輝さん、コメントありがとうございます。
いえいえ、私もまだまだですよ。
上手いと思うのは台詞を多めにして地の文を少なくしてるのと、下手に凝った表現はせずに無難な感じにしてごまかしてるからだと思いますよ。
現に、地の文でウケ狙いにいったオブジェの件は滑ってる感が半端ないですし。

まぁ、もう幾つもの動画を作ってきたので、それなりにすんなりと会話させることができるっていうのは強みだと思います。
て言うか今のところはそこぐらいしか自慢できませんが。

最後に一言……

それは私の台詞だ!!
プロフィール

マスクド

Author:マスクド
すっかりデュエル脳に……

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